こんにちは!桧田真理子です。
最近、河合隼雄さんの「こころの子育て」という本を傍らに置いて、
暇があったらペラペラとめくって読んでいます。
子どもに対する優しいまなざしが伝わってきて、心が和みます。
その中にこんな文章があり、ふと目を留めて自分のことを思い返していました。
「大人は子どものことを見ないで、ついつい頭で考えてしまうんですね。頭でっかちなってくると、子どもと付き合う時間は損みたいに思ってしまう。子育てに時間をかけることは、すごく大きな犠牲を払っていることなんだ、と考えるようになるんです。でも、子供の時間に沿っていくことは、おとな自身が癒されていくことなんです。河合隼雄(こころの子育て)」
忙しいおとなの時間の流れにしばらく身を置いてしまうと、
子どもとおもちゃで遊んでいる時間、ままごとをしている時間、
公園で砂山を作っている時間、
絵本を読んでいる時間が、
心なしが無駄な時間のように思えて、
私にはもっと他の”有益な””すべき”ことが沢山あるという感覚に
度々なっていたことを思い出しました。
お金になるわけでもなく、
誰かの役に立つわけでもない、
何か、時代の流れに取り残されていくような感覚だけが強烈に沸き起こってくるのです。
一方で、子どもと共に過ごすことは、
確かに、
どこかに忘れていた大切なもの、
目の前に起こる全てのことを五感を通じて新鮮な気持ちで感じる力を
ふと呼び起こしてくれる時間であったとも思います。
私のこころの中は、いつもその2つの間で揺れ動いていたけれど、
今なら「もっと、子どもとの時間を味わってもいいんだよ」とあの時の自分に言いたい。
それは、
自然からかけ離れたところに追い込まれていたことに気づき、
元の姿に戻っていくための時間、
ありのままの自分を認めて、
今を生きる時間。
いのちの力を見つめ直す時間・・・
おとな自身が癒されていく時間。
子どもと過ごす時間には、
そんなゆったりとした優しい時が流れているはずです。
子育て中は、
いろんな感情が出てきたり、
思うようにことが進まなくて
イライラしたり、ソワソワしたり、不安になったりすることもあるけれど、
それさえもほんとうは、
無駄なものではなく
自分の中にある、いらなくなった何か”滞り”が反応しているだけ。
もちろん失敗だっていっぱいするけれど、そんな失敗も織り込み済みで、
繰り返し繰り返し、
ものの捉え方をアップデートしていきながら、そうした滞りに気づき、
どんどん手放していくチャンスが
訪れているのだと思っています。
おとなが子どもを通して
自然を取り戻していくうちに、
本当に自分らしい姿になっていく。
だから子育ては、
共に育ち行く時間でもあるなと感じます。
振り返ってみれば、あっという間に過ぎ去る
”この時の意味”を改めて
一人でも多くのおとなと分かち合えたら良いなと思っています。
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