こんにちは!桧田真理子です。
我が家の絵本は、親戚のお下がりをいただいたり、両親や友達からプレゼントしてもらったり、自分で気に入ったものがあったら買ったりして、日に日にどんどん増えていきました。
1歳を過ぎて歩き始たばかりの子どもは、「一体いつ休むのだろう」と思うほどにあちこち動き回りますよね・・・。
片時も目が離せません。
そんなとき、私にとってちょっとホッとできるのが息子がお昼寝している時と、絵本の時間でした。
少し休みたくなって「じゃあ今から本を読もう」と提案すると、息子が気に入ったものを本棚から引き出して持ってきます。
「またこれか・笑」と内心思うけど、その時のブームがあって、いつも同じような本を繰り返しリクエストされたことを覚えています。
子ども用の小さなソファーに2人で腰掛けて「それでは読みましょう」とページを進めると「やっぱりやめた」とばかりに息子は本を閉じてしまうことも度々ありました。
そして他の本を選びに行くのです。そんなやりとりを繰り返したものです。
「次は何の本を持ってくるんだろう」と楽しみでさえありました。
いつしか、ソファーの周りは本で埋め尽くされて、運ばれた本のお山があちこちにできるほどでした。
(必ず運ばれてきた本、「しょうぼうじどうしゃ じぷた」)
今月のテーマが「絵本」でしたので、子どもと絵本に関する本をペラペラと眺めています。
その中に、こんな文章があり、幼い時の息子の面白い行動を思い出したのでした。
「一行読んでページをめくるのも、横取りするのも、勝手なおしゃべりをするのも、その子にとっては面白くて楽しいからです。
・・・一冊の半分も読まないで取っかえ引っかえ別の本を持ってきて、ここを読め、あそこを読めと強要するのも、いっぱしの読書気分でやっているのではないでしょうか」
(中川李枝子「本・子ども・えほん」より)
まさに幼い日の我が息子です。
じっとして本を聞いていることだけが、読書ではないのかもしれません。その子なりの本とのふれあい、読書の仕方があるのでしょう。
そして、子どもの本に対する関わり方は、常に変化し続けています。息子もいつしか、最後までお話を聞くようになっていき「あれ?今回は最後まで読めた!」と驚いたものでした。
初めは、ただ単に、興味のある乗り物の絵を見ることが楽しかったり、ママに一言でも読んでもらったり、声をかけてもらうことが嬉しいというぐらいのものだったのかもしれません。
それでも、こうした何気ないやりとりが、今から思えばかけがえのない時間だったように思います。
ママもゆったりと安心した心でいること。
ママの声が聞こえること。
ママと同じ世界を共有できること。
こうした心通い、響き合う時と空間によって、子どもは本を読む幸福感を味わってくれているように感じています。そしてその安心した感覚は、大人になっても心の中に残り続けるものだと思います。
0コメント