〜子どもの心を育てる絵本〜あったかくて嬉しい感覚

こんにちは!桧田真理子です。


私にとって絵本とは、あったかくて嬉しい感覚を象徴するようなもののように思います。それは多分小さい頃、母に寄り添い、甘えられる数少ない時間だったからかもしれません。


3人姉妹の長女で、2番目の妹とは2歳ほどしか離れていないので、今から思えば親に甘えられる時間は本当に短かったのです。「お姉ちゃんだからしっかりしなさい」と言われて育ったものです。そんな中、ゆっくりと母と過ごせたのが、本の読み聞かせの時間でした。


幼稚園の講演会で、「子どもへの読み聞かせ」を勧める話を聞いてきた母は、何かを感じたのでしょう、仕事や家事でどんなに忙しくても、それだけはいつも続けてくれたのでした。


母の右側に妹、左側に私がくっついて、布団に寝転がって本を読んでもらう時間。
夜寝る前のほんの数十分ですが、物語の世界に引き込まれて、主人公になっていろんな世界を旅するのです。


ある時から、突然始まったその習慣は、「こんな贅沢があっていいの?」と子どもながらに思うほど、暖かくて安心して、嬉しい時でした。


小さい頃読んでもらって覚えているのは、「ノンタンのシリーズ」「ぐりとぐら」「ばばばあちゃん」も大好きで、何度も読んでもらいました。もうストーリーは分かっているけれど、言葉の響きや楽しい挿絵が作り出す、絵本の中の世界に浸っているのが心地よかったのだと思います。


小学校の低学年になると長いお話も増えきて、例えば「エルマーの冒険」のお話に夢中でした。もう少し大きくなると「かぎばあさん」や「ぼくは王様」シーズも好きだったな。


こうした読み聞かせの時間は、小学校の3年生ぐらいまで続いていたように思います。思えば、「構ってもらえない寂しさ」を絵本の時間が確かに埋めてくれていたのです。

今も実家に捨てずに残された絵本の数々は、とても懐かしく、私の心を温めてくれる存在です。


絵本に対するポジティブ思いがあったからでしょうか。

実ははじめて息子に絵本を読んだのもかなり早い時期でした。確か生後5ヶ月か6ヶ月ぐらい!

そんなに早くから息子にも絵本を・・・と思ったきっかけは、ふらりと訪れた図書館で、3歳ぐらいの男の子が夢中になって本を読んでいる姿を目にしたことでした。

「とっても本が好きなんですね」とそのお母さんに話しかけると、「赤ちゃんの時から本を読んであげると、本好きになって楽ですよ」と言われたのです(笑)「それはいいことを聞いた」と早速、試してみることにしたのでした。


調べてみると赤ちゃんのための絵本もたくさんあることが分かりました。

「がたんごとん がたんごとん」や「じゃあじゃあびりびり」、「いないいないばあ」

ロングセラーも多いのです。

試しに、昔母にしてもらったように、寝っ転がっている息子のとなりに横になり、「がたんごとん、がたんごとん、乗せてくださーい」と繰り返し読んでみました。


赤ちゃんは、大人が聞き過ごしてしまうような、言葉の響きやリズムを楽しむ力があるのでしょうか。シンプルな言葉と、単純なやりとりが繰り返されるお話ばかりだけれど、息子は手足をバタバタさせながら本を見つめ、興味を持っているように感じました。

きっかけは、「本好きにしたら、育児が楽だ」という思いだったかもしれませんが、赤ちゃんでも、絵本を楽しむことができると知ったのは大きな発見でした。


何より、大人になってどこかに忘れていた、リズミカルで楽しい音の世界を私自身も味わっていたように思います。

それ以来、読み聞かせの時間は、私と息子にとってお互いにちょっとホッとできる楽しい時間となっていきました。







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